アンビリバボー!ユーバーリンゲン空中衝突事故動画とロシア人建築士ビタリー・カロエフをシュワルツェネッガー主演映画で!

5月 23, 2019

2002年7月にドイツ・スイス国境付近で
ユーバーリンゲン空中衝突事故と呼ばれる
2機の航空機が空中衝突し双方の乗客・乗員71人の犠牲者が出た痛ましい航空事故がありました。

奇跡体験!アンビリバボー2時間SP
2019年5月23日放送分では
この事件で奥さんと子供二人を失った事により人生の歯車が狂ったロシア人ビタリー・カロエフについて紹介されます。

ユーバーリンゲン空中衝突事故とは?

2002年7月1日にドイツ南部の
ユーバリンゲン(Ueberlingen)上空で
ロシア・バシキール航空
(Bashkirian Airlines)の旅客機と
DHL貨物輸送機の2機の航空機が
空中衝突し双方の乗客・乗務員全員が犠牲者となった航空機事故が発生しました。

被害にあった航空機と犠牲者数は以下の通りです。

【便名】ロシア・バシキール航空2937便
【機種】ツポレフTu-154M
【機体記号・レジストレーション】RA-85816
【運航予定/出発地】ロシア連邦内バシコルトスタン共和国・ウファ
【運航予定/経由地】モスクワ
【運航予定/目的地】スペイン・バルセロナ
【コールサイン】ブラボータンゴチャーリー2937
(Bravo Tango Charlie 2937)
【犠牲者】乗員9人+乗客60人

犠牲となった乗客の大半は、
スペインへのツアーに招待された
ロシア、ウファ市内の小中学生及び引率の教師たち45人でした。

45人は6月29日、
バルセロナ行きの定期旅客機で
スペインに向かう予定でが、
その便に乗り遅れてしまったため、
急遽2937便をチャーターしてスペインに向うところでした。

【便名】DHL611便(定期貨物便)
【機種】ボーイング757-23APF
【機体記号・レジストレーション】A9C-DHL、バーレーン籍
【運航予定/出発地】バーレーン
【運航予定/経由地】イタリア・ベルガモ
【運航予定/目的地】ベルギー・ブリュッセル
【コールサイン】ディルムン611
(Dilmun 611)
【犠牲者】パイロット2名

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ドイツ・バーデン=ヴュルテンベルク州南部の当該空域はスイスの管制区域となっており、事故当日もチューリッヒにある民間航空管制会社であるスカイガイド社によって管制されていた。

事故当時、スイス領空全域及びドイツ領空南部を管制していた管制官はただ一人だけであった。

彼は当該空域の高高度空域及びドイツ南部のフリードリヒスハーフェン空港への進入管制を同時に担当していた。

普段であれば、管制管轄域内で飛行機が異常接近したりした場合は管制センターに備え付けられていた接近警報装置(コンフリクト・アラーム)が警報を発するが、この日は機器点検のため機能が大幅に限定されており、警告を発する機能は無効となっていた。

また、当夜はフリードリヒスハーフェンへ遅れて着陸する便があり、管制官はその進入管制におよそ5分間掛かりっきりとなって、2937便と611便の異常接近に気付かなかった。

衝突50秒前、2937便と611便の双方の空中衝突防止装置(TCAS)がそれぞれに危険性を警告しました。

611便では降下、2937便では上昇を指示が出されていました。

直ちに611便の乗員はTCASの指示に従って直ちに降下を開始。

一方、2937便の乗員はTCASの指示より管制官の指示を優先し降下を開始!

【衝突13秒前】管制官が2937便に対し
「611便が2時の方向からの接近」
の連絡を行っていた最中で、緊急降下中の通報は管制官に伝わらず・・・

その為、管制官は、実際には611便と2937便の双方が降下して接近している事に最後まで気づきませんでした。

【管制官が目視を指示】
● 611便の乗員は、衝突27秒前に2937便の航法灯を2時の方向に視認

● 2937便の乗員は、管制官から他機が2時の方向より接近の警告を受け右前方を10秒間近く注視するも、これは管制官のミスで、実際には10時方向から611便が接近し気づいたのは衝突8秒前!

衝突6.5秒前、2937便のTCASから上昇を指示されるも時すでに遅し!

【午後11時36分32秒】
611便と2937便は
上空高度34,890 フィート
(10,630 m)で、
611便の垂直尾翼が2937便の胴体を分断する形で空中衝突しました。

ユーバーリンゲン空中衝突事故
ユーバーリンゲン空中衝突事故

ドキュメント動画

● 2937便は空中分解して墜落

● 611便は衝突で方向舵を含む
垂直尾翼の80パーセントを失い
操縦不能に陥り、
およそ2分間飛行を続けた後
7km先の森林に70度以上の機首下げ姿勢で墜落

事故後回収されたボイスレコーダーには、信じがたいクルーたち、そして管制官のやりとりが記録されていました。

スカイガイド社の主張

スカイガイド社の主張は
● 管制官が職歴8年のベテランである

● 事故の原因は
管制の指示に速やかに従わなかった
ロシアの旅客機2937便にある

と主張しました。

ロシア当局の主張

● バシキール航空は
頻繁にバルセロナ路線を運航していた

● 2937便の5名の乗員は皆経験豊富な
ベテランのパイロットで機長は
パイロット経験22年目であった上に監査フライトだった

● Tu-154M型機が5年前に製造されたばかりの最新型であった

● 事故原因はスイス管制の不適切な指示である

スイス及びドイツ当局の主張

ロシアの旅客機22937便が
チャーター機であった事から

● 現地の空域に不慣れであった可能性
● 英語による管制が負担であった可能性

などを示唆しました。

しかし、スカイガイド社の主張、スイス及びドイツ当局の主張はボイスレコーダーの発見により覆されました。

ボイスレコーダーのやり取り

回収されたボイスレコーダーのやり取りから
空中衝突防止装置(TCAS)が
パイロットに対し空中衝突の危険性の
警告を発していた事が判明しました。

TCAS(ティーキャス・空中衝突防止装置)とは?

小型機を除き、航空機にはTCASと呼ばれる
航空機同士が空中衝突する恐れがある
他の航空機の存在を操縦士に警告する装置が取り付けられています。

(TCAS=Traffic alert and Collision Avoidance System)

このシステムは、地上の航空管制システムには依存せずに航空機の周囲を監視し、独自に危険性をパイロットに警告します。

判明した事故の原因

双方の事故機にもTCASが装備されており
衝突の36秒前に双方のTCASが正常に
警告を発していました。

● 611便では降下の指示
● 2937便では上昇の指示

が出されてました。

● 611便の乗員はTCASの指示に従い
管制承認高度を離脱し降下を開始し

● 2937便の乗員はTCASよりも
管制官の指示に従い降下を開始

611便がTCASの指示に従い
降下中であることを無線で連絡を試みるも
混信で連絡がとれず
CASの指示が出ている事実を知らない
管制官は、611便が管制承認高度の
36,000フィートを維持しているもの
と信じ
937便に緊急降下するよう指示し、
611便と2937便が両方とも
降下している事に最後まで気づきかなかった

● 2937便は管制官の指示により
目視でのDHL機の確認を行ったが
管制官が指示したのはDHL機の接近コースは
2937便から見て2時方向だったが
実際は正反対の10時方向から
迫って来ており、
正反対を目視したので気付いた時には既に衝突目前であった。

判決の行方

2007年9月4日、スイス
チューリヒ(Zurich)近郊の
Buelach地方裁判所により
事故当時この事件を監視していた
スイスの航空管制機関・スカイガイドの
管制責任者4人に対し、
業務上過失致死で有罪判決が下されました。

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判決内容

スカイガイドに対する判決は以下の通りです。

4人の責任者は、
「事故当時に管制官を
1人しか置いておらず、
安全に対する注意を怠った」
として、幹部3人に執行猶予付き禁固1年。

また、管制業務の責任者だった1人に対して
禁固90日に相当する1万3500スイスフラン(約130万円)の罰金

管制官4人は全員は無罪

航空管制官のその後

事故発生時に、管制業務を受け持っていた
管制官ピーター・ニールセン
(Peter Nielsen)氏は、
2004年2月に、スイスの
チューリヒ(Zurich)近郊で
事故で妻と子ども2人を失った
ロシア人建築士ビタリー・カロエフ容疑者により刺殺されてしまいました。

その理由は、カロエフ容疑者が
管制官に対し、
犠牲者となった家族の写真を見せ
謝罪を求めたところ、謝罪するどころか
その写真を捨ててしまった事が原因でした。

刺殺犯に対する判決

スイスの法廷は
ビタリー・カロエフ容疑者に対し
2005年10月26日に懲役8年を宣告し
彼は、スイスの刑務所で服役する事になりました。

ビタリー・カロエフ その後

デンマーク人航空管制官刺殺した罪で
デンマークで服役していた
ビタリー・カロエフ(Vitaly Kaloyev)
元受刑者(当時57)は
事故から刺殺事件を起こすまでの2年間
のほとんどの時間を自分の家族の墓の前で過ごしていた奇行を鑑み
2007年11月8日、

「犯行当時、心神喪失状態にあり、
全行動について
責任能力を問うことはできない」

との判断を下され、同元受刑者の刑期が5年3月に短縮されました。

この減刑により、2007年11月12日夜、
釈放され、チューリヒ空港を発ち、翌13日朝、
ロシアの首都モスクワ(Moscow)のドモジェドヴォ(Domodedovo)空港に到着し、帰国しました。

そして、ロシアでは英雄として処遇され
北オセチア共和国の建設副大臣に任命されました。

映画化

この事実を基に2017年、
アーノルド・シュワルツェネッガー主演で
[アフターマス(aftermath)]
のタイトルで映画化されています。

※アフターマス(aftermath)意味
〔災害や不運などの〕余波、後遺症、影響

主人公の国籍、名前は映画用に変更されています。

ブルーレイ&DVDも発売されています。

U-NEXから動画が配信されています。

未登録の方は、31日間の無料視聴が可能ですので、試してみては如何でしょうか?

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まとめ

映画のネタバレです。

史実と同じく、情状酌量で刑期が短縮され釈放されるのですが、その情状酌量の理由が明確にされていなかたのが残念です。

お墓の前で何日も寝ていたなど、精神状態が普通で無いところは描かれていたので、そんな精神状態がおかしかったと、映画の観客が察する事が出来るとの演出かもしれませんが・・・

本日は最後までご覧いただきありがとうございました。

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